競馬は儲かるのか?

今日は金曜日である。
朝は姪が用意してくれたトーストとサラダ、昼は海苔弁当を食べて臨戦状態に備えている。
何の臨戦状態かと言えば15時から競馬があるからだ。
南関東競馬は平日に行われる、土日は中央競馬。
毎日が競馬三昧だが、こちとらネット競馬なので初めから儲けが見込めないレースは勝負に出ない。
先ずは、実際にお金を賭ける前に念入りに競馬ソフトでシミュレーションを繰り返している。
その結果としてはインターネット競馬は儲かりますということは事実です。ただし、勿論の事、全員が儲かるわけではない。

なにしろ回収率が157.1%という結果からして単純計算で100万円が平均157万円になるということだから競馬で負けているカモが如何に多いかといったことが窺える。総購入金額が73,000円で配当金が114,700円、収支が41,700円、もしも馬券を買っていれば10か月足らずで41,700円儲かっていたことになる。
ただし、情報料などといった経費も必要であるがそれは固定費なので掛け率を増やすことで黒字化できるし変動費はほぼゼロに等しいので損益分岐点を計算してみるのも容易であろう。要は小学生の算数問題と同じようなものである。

上のエクセルで作成したグラフは、しみったれの安本が1,000円ずつ買ったとしての計算例で、金満家の高橋さんの奥様が一勝負10,000円以上賭けたとすれば一ヶ月の固定費7,000円を遥かに凌駕する利益が見込める。
競馬ソフトの使い方は至って簡単で初めに必要なデータを入力しシミュレーションを繰り返しこれぞ儲かるといった状態を保存して次に自動運転モードに切り替えます。続いて前もって保存しておいた競馬シミュ読込ボタンをクリックして新規追加をクリック。最後に開始ボタンをクリックし画面に表示された指示に従うだけです。

 

早速、その話を聞きつけて週刊旭の土井長編集長が電話をよこした。
土井長氏の話によると『鴨田茂樹の必殺馬単総流し』の予想が全く当たらないと多くの読者様からクレームが殺到して、連載が頓挫して代役が見つからなくて頭を抱えていたところなんだ。聞くところによると安本ちゃんはインターネット競馬で儲けてインターネット銀行の預金が増えているそうじゃないですか?
まさに救世主といったところだね。早速だが原稿を任せるよ謝礼は例によってチョメチョメ・・・。
一方的にしゃべって電話は切られた。
誰がそんなデマを流したか知らないがそういう噂になっているらしい。
例によって元M県知事でタレントの東島原ひでぶ氏の薄謝みたいだが断るわけにはいかなくなった。

 

安本は日がな一日トゥルースリーパー横たわりテレビを観るのも飽きてきたのでインターネット競馬でも始めようかと思った矢先、原稿の執筆依頼が舞い込んできた。
しかしながら年金生活者の彼にとって下手にギャンブルに手を染めて失敗したら命取りになりかねない。
月々の必要経費10,000円何某だけ支払い続けてしばらくの間、様子を見てと言いつつも先の見えない世界に必要最低限の資金提供で放り出されたと同じ環境に自ら追い込まれた形である。それにしても10,000円というのは彼には重くのしかかってきた。
しかし、今更後戻りできない。
何故なら今の彼は、所謂、甲斐性なしで将来的に年金収入だけでは暮らしていけない可能性を秘めている。だからこそパソコンやインターネットやら考えられるあらゆるものに触手を伸ばして暗中模索しているのである。

 

ということで競馬の話に戻る。
競馬も国の経済の仕組みと同じで売上金の中から一部ピンハネして的中者に配分する。賭式により若干差があるが大体25%のピンハネである。ということは単純計算すると18頭立てで馬連の組み合わせは153通りで売上高×75%を的中数で割ると払い戻し金が求められる。例えばあるレースで18頭立ての馬連の売り上げが10,000,000円だとして20,000人が100円ずつ当たり馬券を購入していたとすると375円の払い戻しが受けられる、外れた方は残念としか言いようがない。売り上げの75%を的中者で配分するという馬券のシステムを繰り返し買い続けていると配当金の回収率が75%で収束することになる。
勿論、なかには裏技を駆使して100%以上の回収率を誇示する業界紙なども有るがそれは一時的なもので長期的な見方では説得力がないと思う。

 

そんな時、彼の目に留ったのがインターネット競馬。早速ありとあらゆるケースをシミュレーションしてみた結果、確かに、うまく使いこなすと当たることは当たるが利用料金が高すぎる。無料だったら絶対お薦めだが。どうやって家族を説得するんだ?次々と思考を巡らせた。
ただ、あらかじめインターネット銀行にお金を入金しておく必要がある。カード決済は一切できない、念の為。
姪に頼んで楽天銀行に軍資金を入金しておこう。
まっ、思わぬ出費だが10,000円も預けておけば2,3年は十分だろう。
家族との予算折衝で折り合いがつかないときは強行突破せず(いずれにせよ儲けはタカが知れてるだろうから)諦めてゲームソフトで遊んでいるんだと割り切るしかない。先のことなど誰も予想がつかないが今日があって明日があるわけだから出来ないことは出来ないけれど出来ることを一所懸命やろう、たとえそれがギャンブルだと蔑まれることであっても。安本は決意を新たにした。

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