吝嗇作家デビュー

『君子は危うきに近寄らず』とは言うが『虎穴に入らずんば虎子を得ず』ともいい相反することだがどちらも頷けるが「秋深し隣は何をする人ぞ」ということについてはお隣さんには大変お世話になっている身としてはそうも言っていられないのである。
それにしても先日は土居中編集局長から思わぬ金一封を頂いたので年金生活の安本にとっては執筆活動にも気合が入る。
最近インターネットでホームページを開設し著書を公開し始めた。
使用しているホームページ作成ソフトは『SIRIUS』というとても使いやすいソフトでHTMLの基礎を理解している方でインターネットに公表したい内容を用意して頂ける方であれば楽々にホームページが構築できる優れモノである。
安本は『ホームページ・ビルダー22』も持っているがSIRIUSの使い易さに慣れると今更と気後れしてしまう。
今の時代はPCよりもスマホが主流なので両方に対応したレスポンシブ・ウェブ サイトにすることが必須条件で『Word Press』も検討したが未経験なため挫折し結局『SIRIUS』に落ち着いたのである。

 

さて、世間では最低賃金がいくら上がったとか円安問題とかインフレ問題、特にユーティリティー(電気、ガス、水道、公共料金)、COVID19、ウクライナ危機それに伴う輸入品の高騰、食品、中でも輸入穀物の高騰のあおりを受けて小麦粉などを主原料とするパン、麺類、菓子類、調味料の大手メーカーが足並みを揃えて一斉値上げを発表しました。

 

しかしながら浮世離れした生活をしている安本にとってはまるでテレビ番組の中だけの世界の話のようである
彼の理想的な隠居生活は日がな一日部屋に籠もりTVの『FOXチャンネル』などをBGMに聴きながら執筆活動に専念したいところである。
しかしながら、生来の怠け者で怠惰な性格の彼でも言い訳だけは一人前で毎月二回の顎脚付きの三泊四日の缶詰生活に耐えられずサボタージュを企てるものの、ご家族や関係各位に篭絡され結局ミッションインポッシブルに陥ってしまう。

 

そんな折、転機が訪れた。電話でテレビ旭の土居中編集局長の義理の弟で週刊旭の編集長の土井長氏を紹介して頂いた。
土井長編集長の話によると、実は先日、ウチの連載中の人気作家の鴨田茂樹がコロナウイルスに感染して連載が頓挫してしまっているんです。安本先生なら競馬に相当詳しいと伺い鴨田先生の『鴨田茂樹の必殺馬単総流し』のゴーストライターとして原稿を書いていただけないでしょうか?謝礼はチョメチョメ…。

 

まんまと土井長編集長の術中に嵌まってチョメチョメを前金で頂いたので早速来週から『鴨田茂樹の必殺馬単総流し』をゴーストライターとして書く羽目になった。

 

『鴨田茂樹の必殺馬単総流し』の連載も佳境に入った頃、突然電話が鳴った。週刊旭の土井長編集長からだった。
例のゴーストライターの件は鴨田先生が復帰したので代わりに経済の話を書いてみないかという打診だった。

 

謝礼は出来高払いだという。まるで元M県知事でタレントの東島原ひでぶ氏の薄謝みたいだが渋々承諾するしかない。

京都市の財政破綻説はデマだった

いったい誰が考えたネタなんだろう?
昔、空気がなくなる日という話がまことしやかに流布されたらしい。巨大な彗星が地球に衝突して地球の空気がなくなってしまうということだという。ただし地球に接触するのは彗星のしっぽに当たる部分であるという。その為、空気がなくなるのは5分間のみ。裕福なお金持ちはこぞってタイヤのチューブを買い漁りに奔走したらしいことが当時のエッセイからも窺える。
しかしながら彗星のしっぽの部分は極めて質量パーセント濃度が低い為地球の大気をかわして通過し結局その話は全て杞憂に終わったという。

 

また、記憶に新しいのがコンピューターの西暦2000年問題で停電などの不測のインシデントに便乗した商法でカセットコンロや反射式石油ストーブが飛ぶように売れたという。しかし全くこれと言って何事も起こらなかった。

 

デベロッピングストーリーとしては京都市の財政破綻問題。全く荒唐無稽な根拠によるものである。自治体のプライマリーバランスはいつでもマイナスになるのは当たり前である。銀行の資金量は事実上無限に近く信用創造によって無から利息を得ているので利息を永遠に払い続けてくれる根拠があり且つ元本割れしなければ幾らでも貸してくれるのである。
例えばあなたが2000万円の住宅ローンを年利5%で組んだとして永遠に元金を返さないで利息だけ支払ったとすると(単利で計算して)銀行は20年で元金分を回収できることになる。(2000万円X5%X20年=2000万円)それ以降は毎年100万円の利息が銀行に入ってくる事になる。ということは元金を返さないで永遠に利息を払い続ける顧客に貸したくなるのが本音であろう。
だから、あなたが永遠に死なないで利息を払い続けることができれば銀行はいくらでもお金を貸してくれるだろう。あなたの借金が雪だるま式に増え続けてもあなたも銀行も全く損をしない。
昔、問題になった消費者金融による多重債務による破産。永遠に借換えができればこういった事は無くなりますが、そうもできないし利率が高いうえ借入額にも上限がありますので利息さえ払えない人が続出。消費者金融やヤミ金は銀行とは違い信用創造によってお金を創り出すのではなく銀行からの又貸しによって成立するのです。
そもそも、サラ金の始まりはサラリーマンを対象に給料日までの資金繰りが苦しいが給料日後速やかに返済すれば無利息というのが謳い文句だと聞いています。
クレジットカード決済で商品を購入しても決済日に決済すれば金利は一切掛かりません。但しキャッシングやリボ払いという甘い罠にハマらなければですが。

 

 

そこで三段論法。

 

生き物でなければ死なない。

 

京都市は生き物ではない。

 

故に京都市は絶対破綻しない。

 

おまけに自治体は破綻しない。唯一、炭鉱で栄えた夕張市の場合、北炭夕張炭鉱閉山のあおりを受け人口は急激に減少というという状況からして極めて例外といえる。
その為、上下水道、都市ガス、医療機関、教育機関、その他あらゆる公共機関を支える資金が底をつき苦渋の決断を迫られ大量の市債を発行して多額の利息を支払い続けるよりも財政再建団体の道を選択した方が得策であると計算した為であろう。実際あれだけ大量の人口減少が急激に進むと破綻を選択しなくても市営公共料金等の大幅な改定は余儀なくされただろう。
京都市の場合は財政が債務超過に陥ったとしても夕張ほど極端な人口減少問題は考えられない為、財政整理団体を選択するのは愚策である。なにしろ市長を選挙で選べなくなる。
自治体における予算とは富の再分配の明細を意味し、歳入と歳出が同じ額になる。不足分の歳入は市債を発行してその中から公債費として借り換えを行い償還に充てているのですからプライマリーバランスがプラスの自治体は稀に存在するかしないかなのである。そもそも銀行が借換債をいくらでも引き受けてくれるからである。
したがって、負債を税金で徴収しようとする程愚かな策はない。なぜなら、そもそもお金自体が国債の借用証書として日銀のみが発行しているので税金を取ろうにもお金がなかったら払いようがないじゃないですか。その時点で精一杯働いて税金を…といった図式が崩壊するのが物分かりのいい人には分かるはずだ。
つまりいくら働こうが働くまいがお金の総量は変わらないので結局、争奪戦になる。結局世の中はインテリぶっても愚直な椅子取りゲームをしているに過ぎないのです。
偽札を大量に印刷しない限りそのジレンマからは逃れられないのである。
日銀は必ず負けるゲームをしているとスイスの一部ヘッジファンドの首謀者が提唱していますが日銀の資金調達量を軽く見すぎているのだと思います。幾ら大口投資信託と言えど日本の中央銀行相手では歯が立たない。若しくは投資してくれるカモを狙っているのでは?

 

ですから、京都市でも公債費を大幅に上回る市債を発行しインフレーションが増大しても行財政サービスを従来通り維持して市民が安心して暮らせる古都京都であることを願ってやみません。
繰り返しますが銀行は無から信用創造によってお金を創り出すことを国によって認められた機関なので厳正な信用調査を行ったうえでに審査を通過すれば融資を受けることができるのです。
この条件に該当する最たる存在が官庁を率いる自治体なのです。

 

インターネットで総務省の地方公共団体の財政の健全化のページを見ると健全化というより縛りという感じが否めない。
地方の権力を分散させ国家権力に謀反を起こさないように金銭的余裕を地方から奪ってしまうという狙いか。
さながら江戸時代の参勤交代の現代版と言える。
これでは京都市だけじゃなく全国の地方公共団体でも財政破綻する所が後を絶たないだろう。
京都市でなくても多額の負債を抱えている自治体は少なからずある筈だ。
政府もこのまま見過ごしていると全国的に革命とか画期的な裏技が生み出される危険性を孕んでいる。早急に、この問題に対処する必要がある。

 

安本は原稿を書き終えて週刊旭にFAX送信した。

 

次の日、土井長編集長から電話で「この記事は大変よく出来ている、直しは必要ありません連載決定。報酬はチョメチョメ・・・。第二弾、第三弾も頼んだぞ、では。」
と言って電話は切れた。

 

連載が決定した安堵から安本は寛いで動画でも視聴したくなった。
YOUTUBE、NETFLIX、Abema TV 
いや、ANDROID アプリで鉄道チャンネル、旅チャンネル、ディスカバリーチャンネルとか、KBS京都というのもいいねぇ
彼は日常的にリモコンをカチャカチャやってI県に居ながらにしてKBS京都をはじめサンテレビ、テレ玉、TOKYO MX、その他関東、関西の民放を視聴できるのである。
その他CHROMEブラウザでアメリカのテレビ番組が無料で視聴できるサイトも利用している。
名前が安本だけに安物のプロジェクターも手に入れた。八畳間の和室にギリギリのサイズである。ただし、白昼にプロジェクターで動画を観るためには遮光カーテンで窓を覆う必要がある。
なにしろ100インチのスクリーンは迫力が違う。
しかし普段は24インチの液晶テレビで動画を楽しんでいる。それだけの大きさでもスマホやタブレットよりは画面が広いしプロジェクターよりお手軽である。それにしても近頃どこの民放を観てもテレショップばかりだ。
課金しているんだからテレショップなしにして欲しいとも言えないし、うーん。
もちろん安本はYOUTUBEにも課金してます。

 

 

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